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2009年4月 5日 (日)

めくらとか気違いとか共産党とか

Top_blue世の中には差別語というのがあって、そういうのは使っちゃいけないんだそうな。言葉によっては確かに不穏当な表現というのもあるけど、言葉そのものを使わないように規制するのは、やっぱりおかしなものだ。

「行方をくらます」、これはOK。「めくらまし」、これもOK。でも「まし」を取ると、それはダメーっ!ってなんだかなあ。

気が違うから気違いなんであって、それの何が差別か。何が不穏当か。クレイジーと言えば何か変わるのかね。英語で言えば上品な気違いになるとでもいうんですか。

たしかに、相手のことを理解できないというだけで、「お前はキチガイか」と罵倒してきた歴史があるだけに、「気違い」を使うことになんらかの気遣いは必要に違いないけれども、漢字変換から「きちがい→気違い」を排除する文化はいかがなものかと思う。ネット掲示板では「基地外」と当て字にして、もっと隠微な雰囲気プンプンである。

集落という意味で「部落」を使おうとする人が、遠慮がちにこの言葉を使うのをぼくは何度も体験しているけれど、これにも差別の歴史が後ろに控えているから、どこか遠慮してしまう気持ちが入り込むのだろう。

「片手落ち」を放送で使うと、これまた事後にお詫びがある。これは「片・手落ち」であって、「片手・落ち」ではない。これがだめなら「手落ち」もだめである。勝手に「片手のない人に不快感を与える」とか言い出して、こういうのをイチャモンとか難癖、言いがかりという。

ぼくは大学でマルクスの勉強をやっていたから「共産党」という言葉に抵抗感はないけど、いまだに世の中の一部では「共産党」という言葉は見事なまで差別的に響く。

何年か前、奈良のどこだかの現役最年少市長の話題をテレビでやっていた。市長の登庁初日、市長室に表敬訪問にやってきたギトギトあぶらオヤジの市議会議長に市長が、
「市民の代表として一生懸命やって行きたいと思います」
とあいさつしたら、ギトギト議長は、
「なんで君みたいな若造にそんなこと言われなあかんねや。ん?ん?ん? ところで君は共産党ちゃうやろなあ。ん?ん?ん? ほうか、ほうか、ちゃうんか。ほな握手や」

「共産党」のところを、「在日」だとか「被差別部落」だとかに置き換えてみれば、こうした発言に存する差別意識がはっきりわかることと思う。彼にとっては「共産党」という言葉は、「アカ」「非国民」に代わって、いまだに堂々と使える差別語の役割を持っているわけである。

こうした「文脈で示す差別」が堂々とテレビで流れてもOKだということが、ぼくからしてみるとなんともすごいことだなあと思う。日本共産党が万が一にも党名変更をした日にゃ、「共産党」という言葉は差別語に数え上げられて気軽にテレビで言えんくなるんかなあ。

この時、市長は共産党と違うからだろうが「違います」と答えていたけど、「共産党です」だったらどうなっていたんだろうかね。この市長がどういう考えかは知らないけども、「共産党であろうがなかろうがどっちでもいいじゃないですか」と答えられない所に差別の根深さを感じる次第である。

言葉というのは文脈の中でこその意味合いというものがある。馬鹿にしたり無能呼ばわりするために使うのは論外としても、「目の見えない人」を「めくら」と言うことに過剰に反応するくらいなら、もっとやることがあるだろうにと思う。

 

そうそう。北朝鮮のロケット発射に、自衛隊の迎撃ミサイル実戦配備。こういうのは、「気違いに刃物」という言葉がぴったり当てはまります。ただし、北朝鮮にだけ言って日本に言わないのは、それこそ片手落ちです。

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